【オーストラリア不動産】⑨ Subdivision (土地分割・新築)一体誰が悪かったのか? 4年1か月の戦い = 弁護士B

オーストラリア不動産
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これは①ワシ ②設計屋 ③カウンシル(市役所) ④ビルダー(建築屋) ⑤インスペクター(家屋検査士) ⑥弁護士A ⑦弁護士B 達との家の完成までの4年1カ月にわたる戦いの記録である。 一体誰が悪かったのか? すべては些細なボタンの掛け違いから始まった。。。

2017年2月 契約から約3年後にやっとFinal Inspection( 引き渡し前最終検査 )

前回(<==ココ)2015年10月に市役所から建築許可の再発行が無事完了し、Projectが再び進みだしたことを書いた。 そして2017年2月にやっとFinal Inspection(引き渡し前最終検査)の段階に入った。この2015年10月~2017年2月、1年半の期間一体何が起きたのか?

ビルダー(建築屋)とインスペクター(家屋検査士)が揉めに揉めて話し合いが一切持てなかった。

インスペクターは自分の常識、経験から多数の【建築不具合】を見つけてくれたが、ビルダーはそれに理解を示さず、全く改修する気もない。そんなこんなしているうちにLockup(玄関のドアにカギをかけ内装工事開始)、Fixing(電気、水道、ガスの配管、最終仕上げ)ステージに入り、ワシらは家の中に自由に入れなくなり、ビルダーには会えない、打ち合わせができない、話せない状態が続いた。勿論メールも無視。

ビルダーの家族に不幸があった

そんな折、ビルダーの家族に不幸があり、半年ほど全く何も進展なし。これは仕方なかった。

そして急にFinal Inspection の通知が来た。

家庭にご不幸があって半年ほど工事が完全に止まっていた事もあり、現場に行ってなかったので全く進捗を把握していなかった。理由が理由なのでこちらから煽る事もはばかれた。そして2017年の年明け、今までの工事遅延を謝る事もなく、定型フォームで「このFinal inspection 完了後、コントラクトは完了、1週間以内に残金(10%)払え」といきなりレターを送り付けてきた。 これは全く予想もしていなかった。 「えっ、工事終わったん?」って感じ。

慌ててInspectorに連絡を取り、2017年2月にFinal Inspectionをすることになった。

2017年2月 やはりビルダーは立ち会わず、代理人だけのFinal Inspection

またビルダーは来なかった。全く話にならない。なんという不誠実な奴。Inspector が怒り心頭でその代理人に「すべての不具合を改修する責任をお前が取るのか?」と聞いたところ、「いや、急にビルダーに代理を頼まれただけだ。俺は責任は取らない」と言う。インスペクター激オコ

「2時間後に来い!」

とその代理人を追い出し、久しぶりの家の内部・外部全ての検査。

「話にならない。。。。。これがFinal Inspectionか?」

素人のワシでも不完全な工事が分かるほど酷かった。ドアに取っ手がない、ドアが閉まらない、タオルレールはグラグラ、洗濯機のホースを取り付ける穴がない。。。。。

ビルダーが全くヤル気が無いのは明らかだった。こんなビルダーと出会ったのは不運というしかない。

公共の道路を汚したので要改修。こんな改修でも$2000くらい掛かる
隙間だらけの窓枠
防水処理されていないタイル上部

不具合報告書を纏めて送りつけても何の反応もなし

Final Inspection後、インスペクターが丸2日掛けて作成した報告書【不具合箇所185項目】にもビルダーから何の反応もなく、時間だけがどんどん過ぎていく。ワシも当時は「工事遅延はビルダーの責任。遅延補償金もらえるならば遅れても構わない」というスタンスを取っていた。しかし、1カ月、3か月、半年、そして1年が過ぎようとしていた2017年12月、ついに大きく動き出した。

2017年12月 弁護士Bに問題解決を依頼した

いくら何でもこのままではワシが一方的に不利な立場になる。

  • 既に契約金 $210,000のうち90%支払い済。金銭的にビルダーはほぼ満足。
  • しかし家が完成していないので残10% $21,000は支払わず、ワシの交渉の最終兵器としていた。
  • それに対し、ビルダーはOccupancy permitという「家屋完成証明書」をワシに渡さないので、ワシは法律上、家を賃貸人に貸す事が出来ない。これがビルダーの交渉の最終兵器(家が完成していない=安全でないという事だから)
  • このまま睨み合いが続いてもワシには何の得にもならない(賃貸人を入れる事が出来ない) 。 しかしこの未完成状態を受け入れると、家の完成までの費用は全部ワシ持ちになってしまう。
  • 契約によりビルダーが契約を破棄すればビルダーに違約金の支払い義務が発生し、ワシが契約を破棄すればワシに違約金の支払い義務が発生する。そのためお互い契約を破棄できない睨み合い状態が続く。

そして再びHouse Inspectorに相談し、別の弁護士Bさんを紹介してくれた。このBさんのお陰でこのProjectが完了した。弁護士Bさんには本当に助けられた。

ビルダーが知らない間に廃業していた

仕事を弁護士Bさんに頼んでから、全てが早かった。これが仕事が出来る奴って言うんやな、と感心した。Bさんはビルダーが裁判になっても金を払えるかどうか、という事で身辺調査を開始した。すると知らない間にビルダーは廃業していた。勿論事務所もなくなっていた。そして家族の不幸がきっかけで離婚もしていた。。。。ワシ、なんかこのビルダーの人生最悪の時に付き合わされたような気がした。こんな状態だから、ワシのProject の完了なんてどうでもよくなったんやろな、と思った。

まとめ

不誠実なビルダーと出会い、たまたまビルダーの人生最悪の時に付き合わされたと思う。こればっかりは防ぎようは無かったと思う。

ボタンの掛け違い年表

  • 2011年  ●raybrookプロジェクト 。Subdivisionで市役所の許可は取れたが、銀行から金が借りれなくプロジェクトは中止。その後物件は売却。
  • 2012年6月25日 新たなプロジェクトを立ち上げ。条件付きで●rankston North物件の役所の建築許可が下りた。しかし、またしても銀行から金を借りれず、プロジェクトは保留(中止ではない)。
  • 2014年初頭 Planning Permit延長許可申請が却下。ビクトリア州の山火事の後に建築ルールが変わった。仕方ないので期限の2014年6月26日までに建築開始を決意。慌てて図面修正を再開。
  • 2014年5月7日 ビルダー(建築屋)と契約建築許可期限まであと1.5か月。
  • 2014年6月24日 Building permitが下りる。許可期限まで2日。ギリギリ間に合った。
  • 2014年6月24日 工事を開始したとビルダーは言うが、市役所は着工していないと言い張る=>結果、許可期限切れ。市役所から工事の中止要求。
  • 2014年8月21日 市役所から正式にPlanning Permit 期限切れ=建築許可取り消しの連絡があった。
  • 2014年12月 ビルダーが市役所の建築許可取り消しを無視してコンクリート基礎を進めた
  • 2015年1月 改めて市役所から工事中止命令が出る。
  • 2015年3月 これ以上はにっちもさっちも行かないので、仕切り直しと言う事で再度Planning permit(建築許可)の申請をする事にした。これで半年遅 れはほぼ確実となった。
  • 2015年3月 使えない弁護士Aに頼んでPlanning Permit(建築許可)の再申請費用はビルダー持ちにしようとしたが、弁護士Aは全くやる気がなく、結局無駄な金・無駄な時間を費やしただけだった。
  • 2015年4月 結局自分でビルダーと交渉し、建築許可再申請はビルダーの負担で決着した。
  • 2015年10月 2回目の建築許可が下りたので建築再開。
  • 2015年11月 正しすぎるHouse Inspector の不具合指摘箇所が多すぎてビルダーが逃げ回る。
  • 2017年2月 突然ビルダーからFinal Inspection(引き渡し前最終検査)の通知。しかし全てがやっつけ仕事。引き渡しは勿論拒否。
  • 2017年12月 弁護士Bに問題解決依頼。

すべては些細なボタンの掛け違いから始まった

  • その1 もうけを狙って家ではなくユニットを建てようと決心した =>一番無難な不動産投資は【既に建っている物件を売買する方が楽でリスクも低い】
  • その2 最初のプロジェクトで仕事の遅い設計士 Matthewと出会ってしまった=>やはり仕事が遅い人とは付き合わない方がいいかもしれない
  • その3 今回の●rankston North のプロジェクトで適切で無い人に設計の仕事を頼んだ=>懲りもせず再びMatthewに仕事を頼んでしまった! 無駄なお金が後で次々と。。。。
  • その4 ビクトリア州の山火事の為にルールが変わり、建築許可の延長ができなかった為、無理な日程で建築業者を選定した。=>もし山火事がなければ簡単に2年間延長できた筈。。。。。
  • その5 建築許可期限まで時間が無かった。慌てていたので業者の選択の余地が無かった ==>適切で無い人に建築を頼んでしまった。
  • その6 ビルダー(建築屋)は建築許可が切れる前に工事開始した、しかし市役所は工事を開始していないので建築許可取り消し、と言い出した。。。両者の言い分が全くかみ合わず。(実際ビルダーが開始していなかったのをワシは偶然写真で撮っていた)
  • その7 ビルダー(建築屋)が市役所に黙ってコンクリート基礎を行い、市役所から再度工事中止命令がでる。==>中途半端にコンクリート基礎を施工したので、もう戻れない。計画・工事中止もできなくなった。
  • その8 全くやる気のない弁護士Aに出会った。==>更に無駄な金・無駄な時間を過ごした。
  • その9 正しすぎるInspectorに仕事を頼んだ==>ビルダーが怒り、全く聞く耳を持たなくなった。打ち合わせにも一切出てこない。
  • その10 ビルダーの家族に不幸があり、ビルダーは全く仕事のやる気がなくなった。
  • その11  家族内の不幸が原因でビルダーが離婚、そして建築業廃業。==>ビルダーの人生の一番つらい時に付き合わされた。
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