【オーストラリア不動産】⑪ Subdivision (土地分割・新築)一体誰が悪かったのか? 4年1か月の戦い = DBDRVそして市役所

オーストラリア不動産
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これは①ワシ ②設計屋 ③カウンシル(市役所) ④ビルダー(建築屋) ⑤インスペクター(家屋検査士) ⑥弁護士A ⑦弁護士B 達との家の完成までの4年1カ月にわたる戦いの記録である。 一体誰が悪かったのか? すべては些細なボタンの掛け違いから始まった。

いよいよ、この投稿も最終回。このワシの経験が豪州で家を新築の際、何か揉め事に巻き込まれた人たちのお役に立てればと思います。 もがいて、諦めなければ、【適切な時期】に【適切な人】に出会えます。朝の来ない夜はない。

なおワシの経験は極めて特殊なビルダーのケースと思います。普通ではないと思います。新築物件を建てる方を怖がらすつもりは全くありません。最悪こういった事もあるかも知れません、という事で疑似体験で楽しく読んで頂ければ、と考えます。

2018年7月 DBDRV協議

前回(<==ココ) 、DBDRVのプロセスがいきなり【半年待ちのバックオーダー(ログ?)】状態と書いたが、まさしくその通りで、ビルダーとDBDRVオフィスで会ったのは7か月後の2018年7月だった。

DBDRVとは、ビクトリア州独自の制度で【ビルダーとオーナーとの争いがあまりにも多かった】ため、VCAT(簡易裁判所の様な所)の「前段階」で何とか問題を解決するための事前協議のプロセス・組織。実際見聞きしたところ、ワシ含め本当にビルダーとオーナーの争いは多いと思う。

DBDRVプロセス

以下は2018年7月にワシが経験したプロセス。案件によって若干は違うかもしれないが、大まかな所は同じと思う。

  1. 費用は無料(と思う。払った履歴が無い)
  2. 弁護士を立てても良いし、自分だけでもプロセスは進められる。
  3. 定型フォームに状況を記載し、オンラインで申請。協議前にお互いの言い分を交換する。
  4. 順番が来たらお互いの都合のつく時間を決めてDBDRVオフィスで協議。
  5. 決着が付けば完了。決着つかなければ上位(VCAT)に移行もしくは何もしない

定型フォーム

定型フォームの記載は訴える人、訴えられる人がひとつのフォームに記載していく。最初は片方ずつ記載するが、打ち合わせの前にお互いの言いたい事を書くので、事前のやり取りが結構ある。以下は実際の定型フォームの一部。ワシからのクレームに対してのビルダーの言い訳が見苦しい。

今度はビルダーからワシが訴えられた 請求は$194,000 約1500万円

ワシがDBDRVを申請した事を知ると、今度はビルダーがワシを訴えてきた。ワシからビルダーへの請求額は$172,722、約1300万円。それに対してビルダーからワシへの請求は約$194,000。その差約$21,000。この場に及んでまだ未払いの10% $21,000相当の差額を請求してくる。もうこれは泥試合。

ワシの請求額

2018年7月 DBDRV事務所にて

ビルダーと会うのは2018年の2月のHandover以来。こちらはワシと弁護士Bさん。向こうはビルダーとその手下。以下のプロセスで粛々と進んだ。

  1. まずは一同、一緒の部屋で今日のスケジュールの確認
  2. まずはビルダーとコンサルタントの話し合い。ワシらは別室。
  3. 今度はワシらとコンサルタントの話し合い。ビルダーは別室。話した感じだとコンサルタントもワシらに同情してくれている
  4. そして再び一同集まり、一緒の部屋で話し合い。コンサルが会議を取り仕切るが、やはり話は平行線のまま。全く話はまとまらない。
  5. お互い「金は払わない、妥協しない、合意しない」という事で閉会。
  6. そしてDBDRVから送られてきたのがアイキャッチ画面の【Dispute Not Solved】(争いは未解決)の書類。(探しても何故かこのDraftしかなかった)
【Dispute Not Solved】 (争い未解決)

2018年9月 ビルダーとの揉め事の結論  【これ以上何もしない】

半年も待ったDBDRV協議は結局 【Dispute Not Solved】 (争い未解決) の紙切れ1枚。その後、弁護士Bさんと相談したが、【これ以上何もしない】のが最善の策となった。

  1. ビルダーは既に廃業し、会社として口座に金はない。
  2. ビルダー個人から金は取れる可能性はあるが、それは長い裁判となる。【証拠は多数あるので裁判には勝つと思うが、必ずビルダーからお金が取れるかどうかは分からない】
  3. 家も既に賃貸人が入って安定してきている。
  4. 今、【オーナーの権利を放棄】すると、7年以内に家に不具合があった場合、直してもらえない。よってオーナーの権利は継続すべき。
  5. 最終的に弁護士が言うには【権利は放棄せず、請求もこれ以上しない、争議もこれ以上進めない】とする事により、多分ビルダーも同様にこれ以上の争議は進めない、と思われる。

実際、既に賃貸人も入って家は完成している。裁判で勝っても金を取れる確証もないという。またビルダーの周りは負のエネルギーだらけに感じた。こういった人からはさっさと離れた方がいい。

実際既に1年半経過したが、ビルダーからのアクションは全くない。争いたくなければ【棚上げ】は最強の解決策かもしれない。

【これ以上何もしない】 。これでビルダーと手打ち。

今度はカウンシルと最終決着

やっと家の改修も完了し、無事に賃貸人も入った。しかしワシにはまだやる事があった。それはカウンシル(市役所)の最終確認。ワシは図面通りに植樹もし、物置も設置、裏庭には図面通り花を植え、文句なしの状態で市役所の確認に臨んだ。

えっ? ドライブウエイ(前側の家)

カウンシルに検査日を予約し、2人のインスペクター(検査員)がSubdivision (土地分割)申請に出した図面を元に確認している。笑顔もこぼれ、良い感じ。事前に全て準備は完了しているので文句なしと思われた。しかし。。。前側の家(元々建っていた家)を見ると何やらごにょごにょ言っている。

「前側の家が図面通りに出来ていない!」「えっ!どういう事!」

ワシの家は元々古い家が建っていて、その「裏庭」にもう一軒家を建てた。ワシは「新しい家」のみに集中していたので、まさか前側の古い家にも何らかの要求があるとは夢にも思っていなかった。

これの何がいけないかと言うと、前側の家のドライブウエイも[Aggregate exposure]というちょっとおしゃれな小石の入ったドライブウエイにしなくてはいけない=ドライブウエイの張替え=$10,000 (約80万円)。。。。。

「うげげげげげっげえ」

市役所が言うには、表の道路から見た感じの「ハーモニー、調和が街並みには大事」。いや、分かるけど。。。なんで今更、前側の家に80万円もかけなあかんの。。。。

「この家はすぐに売るから見逃してくれ!」と頼んだがダメだった。。。。。。クソー! これも仕事の遅いMatthewという設計士のせい。。。ああ、あんな奴に仕事頼むんじゃなかった。。。。クソー!

全く知らなかった前側の家の要求

結局$10,000払ってドライブウエイを張替え、無事カウンシルの審査完了。(泣)

2018年11月 そして全てが終わった。。。。

ドライブウエイを泣く泣く張替え、市役所の再検査が完了した。そして最後はSurveyor(測量士)によるSubdivision書類の完成。これは今までひとつだった敷地を正式に2つに分ける作業。これをしておかないと家の売買が一軒ずつ出来ない。いろいろあったが、とにかく完了した。これで前側の家、新たに建てた後ろ側の家は別個のものとなり、売買も個別に出来るようになった。

2018年11月 Subdivisionも完了

最後に神様からのうれしい贈り物 $100,000  

2019年3月に資金が必要だったので、ドライブウエイを張り替えたばっかりの前側の家を$375,000で売却した。まあ、予想通りの価格。売買が終わって、書類を整えていると「うわあ!」というものを見つけた。

実は、ビルダーと散々もめている時、ビルダーはいつも「来月には家は完成する」と何度も言っていたので(何度も言っているというのもおかしな話やけど)、後ろの新築が完成したら前側の家を売ろうと当時見積もりを取っていた。その当時、予想売却額$250,000 – $275,000 @ 2016年9月。

ビルダーと揉めたお陰で近辺の地価が上昇し、約2年半後には$100,000高くで売れた。

神様、最後に贈り物ありがとう!!!

2016年9月の売却予想見積もりは$250,000 – $275,000
2019年2月の売却予想見積もり $360,000 – $396,000。
実際の売却額は$375,000

まとめ

  1. Subdivisionは良いビルダーと知り合いで、潤沢な資金があれば儲かる(ような気がする)。
  2. しかし、Subdivisionはやらなければいけないプロセスが多数なので、やるのであれば小さいProject から進めるのが良いと思う
  3. もの凄く大きな金額を争うならば弁護士もいいかもしれないが、小さい金額の場合は争わない方がいいかも知れない。(今となってはそう思います)
  4. オージーはディベート(討論)で鍛えられているので、大抵ギャフンとは言わない。ワシのケースでは逆にワシが訴えられた。
  5. 「正しい」と思っていても、結果的に何も生まない事が今回のケースで良く分かった。「急がば回れ」「 清濁併せ呑む<せいだくあわせのむ> 」も物事を進めるには必要かも知れない。
  6. 問題にぶち当たっても、もがいて、諦めなければ、【適切な時期】に【適切な人】に出会えると思います。諦めたら何も生み出さない。
  7. 朝の来ない夜は無い。

ボタンの掛け違い年表

  • 2011年  ●raybrookプロジェクト 。Subdivisionで市役所の許可は取れたが、銀行から金が借りれなくプロジェクトは中止。その後物件は売却。
  • 2012年6月25日 新たなプロジェクトを立ち上げ。条件付きで●rankston North物件の役所の建築許可が下りた。しかし、またしても銀行から金を借りれず、プロジェクトは保留(中止ではない)。
  • 2014年初頭 Planning Permit延長許可申請が却下。ビクトリア州の山火事の後に建築ルールが変わった。仕方ないので期限の2014年6月26日までに建築開始を決意。慌てて図面修正を再開。
  • 2014年5月7日 ビルダー(建築屋)と契約建築許可期限まであと1.5か月。
  • 2014年6月24日 Building permitが下りる。許可期限まで2日。ギリギリ間に合った。
  • 2014年6月24日 工事を開始したとビルダーは言うが、市役所は着工していないと言い張る=>結果、許可期限切れ。市役所から工事の中止要求。
  • 2014年8月21日 市役所から正式にPlanning Permit 期限切れ=建築許可取り消しの連絡があった。
  • 2014年12月 ビルダーが市役所の建築許可取り消しを無視してコンクリート基礎を進めた
  • 2015年1月 改めて市役所から工事中止命令が出る。
  • 2015年3月 これ以上はにっちもさっちも行かないので、仕切り直しと言う事で再度Planning permit(建築許可)の申請をする事にした。これで半年遅 れはほぼ確実となった。
  • 2015年3月 使えない弁護士Aに頼んでPlanning Permit(建築許可)の再申請費用はビルダー持ちにしようとしたが、弁護士Aは全くやる気がなく、結局無駄な金・無駄な時間を費やしただけだった。
  • 2015年4月 結局自分でビルダーと交渉し、建築許可再申請はビルダーの負担で決着した。
  • 2015年10月 2回目の建築許可が下りたので建築再開。
  • 2015年11月 正しすぎるHouse Inspector の不具合指摘箇所が多すぎてビルダーが逃げ回る。
  • 2017年2月 突然ビルダーからFinal Inspection(引き渡し前最終検査)の通知。しかし全てがやっつけ仕事。引き渡しは勿論拒否。
  • 2017年12月 弁護士Bに問題解決依頼。
  • 2018年2月 電気メーターもなく185項目の不具合あったが、とにかく物件の引き渡しは完了した。
  • 2018年6月 親切な大工さんのお陰ですべての不具合を改修した
  • 2018年7月 賃貸人入居
  • 2018年9月 DBDRV完了。「これ以上何もしない」が最善の解決策。
  • 2018年11月 Subdivision 完了。これにて全て完了。

すべては些細なボタンの掛け違いから始まった

  • その1 もうけを狙って家ではなくユニットを建てようと決心した =>一番無難な不動産投資は【既に建っている物件を売買する方が楽でリスクも低い】
  • その2 最初のプロジェクトで仕事の遅い設計士 Matthewと出会ってしまった=>やはり仕事が遅い人とは付き合わない方がいいかもしれない
  • その3 今回の●rankston North のプロジェクトで適切で無い人に設計の仕事を頼んだ=>懲りもせず再びMatthewに仕事を頼んでしまった! 無駄なお金が後で次々と。。。。(他の設計士に頼んでいれば。。。。)
  • その4 ビクトリア州の山火事の為にルールが変わり、建築許可の延長ができなかった為、無理な日程で建築業者を選定した。=>もし山火事がなければ簡単に2年間延長できた筈。(山火事が無ければ。。。。。)
  • その5 建築許可期限まで時間が無かった。慌てていたので業者の選択の余地が無かった ==>適切で無い人に建築を頼んでしまった。 (他のビルダーに仕事を頼んでいれば。。。)
  • その6 ビルダー(建築屋)は建築許可が切れる前に工事開始した、しかし市役所は工事を開始していないので建築許可取り消し、と言い出した。。。両者の言い分が全くかみ合わず。(実際ビルダーが開始していなかったのをワシは偶然写真で撮っていた)
  • その7 ビルダー(建築屋)が市役所に黙ってコンクリート基礎を行い、市役所から再度工事中止命令がでる。==>中途半端にコンクリート基礎を施工したので、もう戻れない。計画・工事中止もできなくなった。 (他のビルダーに仕事を頼んでいれば。。。)
  • その8 全くやる気のない弁護士Aに出会った。==>更に無駄な金・無駄な時間を過ごした。(最初から弁護士Bに出会っていれば。。。)
  • その9 正しすぎるInspectorに仕事を頼んだ==>ビルダーが怒り、全く聞く耳を持たなくなった。打ち合わせにも一切出てこない。(他のビルダーに仕事を頼んでいれば。。。)
  • その10 ビルダーの家族に不幸があり、ビルダーは全く仕事のやる気がなくなった。 (すべてがもう少し早ければ。。。)
  • その11  家族内の不幸が原因でビルダーが離婚、そして建築業廃業。==>ビルダーの人生の一番つらい時に付き合わされた。(すべてがもう少し早ければ。。。)
  • その12 いきなりビクトリア州が新しい問題解決組織DBDRVを設定したので、この新しい組織・プロセスに州職員、ユーザー全てが【不慣れ】なため、いきなり【半年待ちのバックオーダー状態】となった。 (あと半年アクションが早ければ。。。)
  • その13 Matthew(設計師)が知らない間に前側の家もAggregate Exposureに変えていたのでドライブウエイ張替えで$10,000出費。(間違った人に仕事を頼んだ。。。)
  • その14 神様から$100,000の贈り物を頂いた。
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