【日本不動産】1号(賃貸)② 家の中を実際に見ずに家を買う

賃貸
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初めての日本の家購入。何をしたらいいのか全くわからない

前回( ① 日本の不動産屋さんは売主、買主の両方のために働く)でも書いたが俗にいう【暗中模索】状態。調べる事はたくさんあったが本当に世の中便利になった。諸先輩の【ブログ】はありがたい。できるだけ自分の立場に近い人のブログを読んでは問題を解決していった。昔やったら本買って研究する事が今はネットでいくらでも無料で情報が入手できる。簡単に【本】を買えない海外在住者やから、10年前やったら日本での家の購入検討は絶対無理やったやろな。ええ世の中になったわ。しかし不動産屋さんが【売主・買主の立場で働く】というのは未だに釈然としないが。。。。。

不動産屋さんからの写真のみが頼り

物件調査・データ入力・絞り込み

物件調査開始。

ワシはオーストラリアで家の購入経験はあるが、日本では全く家を買った事が無い。「もしなんかあったら困る」ので出来るだけ【リスクが少ない=出来るだけ安い物件】を探した。物件探しの時にいつもやっているのが、まずは【物件の調査、データ入力、物件の絞り込み】。数軒の候補から1軒を購入するんやったらデータベースはいらんけど、少なくとも20軒のデータは検討に必要やからこの【物件調査・データ入力・絞り込み】は非常に重要なプロセス。調理師の人が良く言っている「仕込み9割、調理1割」みたいなもんで、このプロセスでほぼ購入の9割は完了する。

こういったデータベースがないと全部の物件情報を記憶するのは無理

エリア、予算を決定する

初動で大事なのは上記2点。①エリアが広いと絞り込みは無理。ワシは自分の家を買うわけではないので【感情移入のない選択】ができる。日本での1軒目なのでリスクを考慮して土地勘のある兵庫県尼崎市に絞る。これで【エリア決定】 ②予算は【できるだけ安く】。大阪周辺は後述のサイトでさらっと見たら50万円(安いのはほとんど借地権)くらいからあり、ちょいちょいとネットサーフィンしたら、何とか見れる(ボロボロではない)のは200万円以上みたいなので、ここでリノベ、諸費用も考え【予算500万以内で出来るだけ安く】とした。これで【予算決定】

調査ツール

調査ツールはいろいろあるが使い易さで以下の4サイトを主に使い、メルアドを登録し、新着情報を漏れなくキャッチする事にした。物件によっては1サイトでしか現れない物件もあるし、またフィルターの掛け方、まとめ方も違うので【複数のサイト確認は絶対に必要】。そして気にいった物件は【エクセルにデータベースで記録する】。サイトでのお気に入りボタンなどもあるが【複数サイトでの確認】なので情報が各サイトでばらけるし、【情報は一元化】しないと見ずらいので是非エクセルの使用をお勧めします。

unyonさんによるイラストACからのイラスト 

必要な環境要素を絞り込む。でも絞り込み過ぎてもダメ

この過程で大事なのは【緩すぎず締めすぎず】

例えば本当は「駅から徒歩5分」を理想とした場合、フィルターをガチガチに「徒歩5分以内」とすると「もしかして7分以内でもっといい物件があっても気が付かない」。少し「理想+アルファ」の設定にして調査する。【すべて理想条件の家は無いものと思う事】。ワシはいつも以下の2点の設定だけとしている。

  • 駅からの徒歩10分
  • 予算 xx万円以内

予算が少ないと①ボロ ②小さい ③古い ④駅遠い ⑤再建築不可物件 ⑥長屋 は当たり前。仕方がない。それらを踏まえて【市場に出てるもので出来るだけ良くて駅近】を探す。

心配ごとの解決

なんせ初めての日本の家の購入なんで、全く要領が分からん。実家はややこしいので絶対聞かれへんし、オーストラリアの周りの友達もはっきり覚えていなかったり、分からんかったり。しかし時代は変わってた。諸先輩のブログ、領事館への電話での問い合わせ、不動産屋さんへの問い合わせでほぼ解決した。

分かった事:やはり日本人。話をした不動産屋さんはみんな親切やった。

  • 海外居住者に対しての購入制限はあるのか? ==> 外国人の場合は調べてないけど日本人ならば問題なく購入できる。
  • 売買相場はどうしたら分かるのか? ==>これは残念ながら良いのが無かった。なんか変なドットのグラフみたいの見たけど全く役に立たなかった。オーストラリアならば「ネットに住所を打つだけでいくらでも過去の売買履歴が無料で見れる」。
  • どうやってお金を支払うのか?==>契約・引き渡しを同時にすれば1日で済む。銀行に「不動産屋さん・売主・買主」が一堂に会するのは変な感じ。オーストラリアは全部Solicitorというのが段取りしてくれるので売主・買主は引き渡しの時は何もしない。
  • 実印を持ってないのに家は買えるのか? ==>1回目はわざわざ住民票を海外転入届してから実印登録したが、2回目から海外在住でも購入できることが分かったので極端に言えば三文判でもOK.
  • 買う前に誰が家の状態を確認してくれるのか? 不動産屋で調べてくれるのか?==>日本でもハウスインスペクターというのを有料で頼めるが、不動産屋さんにずばり聞けばほとんど正直に教えてくれた。(雨漏り痕あります、とか言ってくれた)これは海外では「不動産屋は売主のために働くが、日本は仲介なので売主・買主のために働いてくれる」。よって今まで3回日本で家を買ったが今のところ問題はなし。日本人は本当に正直やと思う。ただしシロアリなど見えないところは自分で判断すべきやと思う。
  • ローンは借りれるのか?==>今までの調査では今のところ無理。HSBCが日本から撤退してなかったらよかったのに。また豪州銀行の日本支店でも問い合わせした時は無理だった。
  • 税金はどう払うのか?==>市町村によると思うが日本に銀行口座があれば振り込みで可能だったので今のところ問題なし。
  • 借り手はあるのか?==>家賃を下げれば借り手はいるので問題なし。ただし、日本の場合「家賃を1,2年後に徐々に上げるのは難しいらしい」。これは今後の様子見。
  • 管理する不動産屋の手数料はいくらなのか?==>今55,000円の家賃で月3000円の手数料を払っている。5.5%なので多分普通と思う。不思議なのが借り手がワシの口座に直接入金する事。豪州では必ず一旦不動産屋を通してから入金がある。まあ、直接入金でも今のところ問題はないが。
  • 買ってから不動産価値は上がるのか?==>多分無理と思うので日本の不動産投資は早めに投資金を回収するしかないと思う。
  • シロアリはいるのか?==>分からない。調べたことがないので今後の課題。
  • 雨漏りしてたらどうするのか?==>今のところ【購入前に確認】している。結構正直に不動産屋さんは教えてくれる。
  • 悪徳不動産屋だったらどうなっちゃうのか?==>分からない。
  • 諸費用はいくらなのか? ==>購入金額によるのでググればネットでいくらでも情報あります。
  • 保険はいるのか?==>今のところ入ってないがこれから入ろうと思う。あまり保険にお金をかけ過ぎて利回りが悪化するのも嫌なんで少しアクション遅いです。
  • 再建築不可物件はどうなるのか? ==>分からない。2軒めと3軒目は長屋で道路に面していない再建築不可物件を買った。なんせ、予算が少ないので仕方がない。何年後に売る時どうなるのか? という心配はあるが、安い物件=再建築不可が多いのは仕方がないので、いつか考えようと思う。でも多分「値段さえ下げれば買う人はおる」と思うのであまり心配していない。
  • 賃貸の場合の相場はどう分かる? ==>不動産屋さんに聞けばだいたいの額を教えてくれる。日本の場合、不動産屋さんは「売買専門」「賃貸専門」に分かれているがネットワークがあるのですぐに調べてくれる。
  • その他情報==>実際調査をしたり、不動産屋さんと話をする中でいろいろと知識を吸収した。「マンションは管理が命」というのはネット・不動産屋さんからも聞いた。今回は団地を買ったが、共益費・管理はいろいろなタイプがあるので是非データベースで一元化して、購入費用のみならず【今後継続的に掛かる費用】も比較してほしい。あまり管理費が安い所は逆にやばいらしい。

買うのは投資物件。自分の家ではない。

これはいつも投資物件を買う時のワシの心構え。これを勘違いする人は結構多く、自分の家を買う気持ちで台所が汚い、壁の色が気に要らない、とか言い出すと投資物件は買えない。【どうせ自分が住むんじゃないし】と考えれば後は決断だけ。勿論、きれいな家がベストやけど、この予算ではちょっと厳しすぎ。

1~2か月のモニター。そして購入決定。

だいたい1~2か月間ネットサーフィンしてデータベースに入力していけば、その地域の家の平均的な売価が見えるので、後は気に要った物件あれば不動産屋さんと電話、メールで交渉。ワシの場合は580万のリノベの家を500万で値切って買おうとしたらすでに売却済やったけど、【たまたま】同じ団地で他に売りが出たので現状のままで330万円の所、280万円に値切って買った。勿論、実際に見に行けないので写真で判断して購入した。しかし不動産屋さんが逆に、「是非見てから購入決断してほしい」、と言うので日本にいる息子に行ってもらったが、最初の決断のとおりで購入した。

写真だけが頼り この状態が妥当なのかどうかも分からない
この値段ならば多分普通? 一軒目なのでイチかバチか状態

契約・引き渡し

契約・引き渡し日はワシらが日本に行く時の2018年1月始めとなった。たしか購入を決めたのは2017年12月始めやけど、驚いたことに購入決定時「頭金さえも払っていない」

日本、凄すぎる。

購入した不動産屋さんでさえ、会った事もなく、購入意思もメール、電話だけ。「信頼してますから」と言うけど、ホンマ凄いと思った。もしワシが悪人で逃げたりしたらどうなっちゃうんやろな? でもそこは「地元に愛されxx年」の不動産屋さんの見立てか?結局、頭金も払わず(要求されず)、契約・引き渡しの日取りを決めた。

そして正月明けの2018年1月初め。初めて「不動産屋さん」と会う。そしてこの度の「売主さん」と会い、重要事項の説明を一緒に聞く。契約は小1時間で完了。「うーん、売主さんと話が弾まない」。そして行政書士さん(先生と呼ばれるのを初めて知った)を含めた4者でぞろぞろと近くの三井住友に行ってお金の授受。280万円からいろいろ調整した額を封筒に入れて、その場で売主さんに渡す!!!!(びっくり!!!) また行政書士さん、不動産屋さんにも封筒にお金を入れて手数料をその場で渡す。(これもびっくり!)

日本の現金主義を改めて痛感した。

オーストラリアは全ての金銭の動きは銀行間で行い、その段取りはSolicitorという行政書士のような人がするので、売主に会うこともないし、銀行に行く必要もない。「なにかものすごく前近代的な風習やな~」と思った。

【銀行間の振り込みはあかんのか?】 そんなこんなで、そつなく契約・引き渡しは完了し、女房と近くのお好み焼き屋でお祝いランチをした。

まとめ

日本での不動産売買に日本の銀行口座は絶対必要(と思う)

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