【日本不動産】1号(賃貸)① 日本の不動産屋さんは売主、買主の両方のために働く

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最初は日本への仕送りの為

ワシらに少し余裕が出てきた頃から、女房のお母さんに月3万円の仕送りを始めた。もし日本に金がジャブジャブあるんやったら、日本の口座から振り込みすれば問題ないんやけど、当時は日本に口座を持ってないし、なんせこっちもオーストラリア生活で少し余裕が出てきたと言えども結構カツカツ。まとまった金がないんで毎月Westpac銀行に行っては、窓口で豪ドルを日本円に変えて封筒に入れて送ってた。ホントは違反かも知れんけど、まともに銀行送金してたら送金代だけでも当時はめちゃ高かった。(今はTransferWiseがあるのでだいぶマシになった)

豪ドルは日本円に対して弱く、月々の換金額も結構上下落差が激しかったんで【なんとかせなあかん。なんか日本でお金を作れる仕組みを作ってそれをお母さんに渡せればええな】とずっと考えてた。そんなある日、たまたま見た日本の不動産サイトで家が200万とか300万で売っている。【えっ?】そもそも豪州に来た理由の一つはバブルの頃だったので【日本では家は買えん】と思ってたから。「あれ?なんか安っ!」と思い、いろいろ見てたら、ふっと思った。「もしかしたらこれで家賃収入=お母さんの振り込み=為替の影響なし」できるんちゃうか?

日本で賃貸物件持ってたら日本円の貯金が自動的に出来る!

「そうやん、これええやん!」 それから日本の不動産の調査を早速開始し、ホンマに外国に住んでいても物件を買えるのか、税金は?制限は?等いろいろ調査する事はいっぱいあった。

  • 海外居住者に対しての購入制限はあるのか?
  • 売買相場はどうしたら分かるのか?
  • どうやってお金を支払うのか?
  • 実印を持ってないのに家は買えるのか?
  • 買う前に誰が家の状態を確認してくれるのか? 不動産屋で調べてくれるのか?
  • ローンは借りれるのか?
  • 税金はどう払うのか?
  • 借り手はあるのか?
  • 管理する不動産屋の手数料はいくらなのか?
  • 買ってから不動産価値は上がるのか?
  • シロアリはいるのか?
  • 雨漏りしてたらどうするのか?
  • 悪徳不動産屋だったらどうなっちゃうのか?
  • 諸費用はいくらなのか?
  • 保険はいるのか?

ほんま悩みだしたらキリがない。しかし豪州不動産投資で養ったノウハウでまずは、購入する物件・エリアのリサーチ、広告情報の記録を開始した。豪州と違い、日本の不動産情報は町名までしか書いてないのでいちいち不動産屋さんに連絡せなあかんし、写真は素人が撮ってて汚いし、送ってくる資料のだいたいが「チラシ1枚」。。。。「うーん、違う」。。。。

オーストラリアの不動産サイトの写真(Toorakという高級住宅地の場合

写真は不動産売買の命(と思われている)

豪州はライフスタイルの合わせて家を売ったり買ったりするので、不動産市場が成熟しており、かつ回転率がめちゃ早く、不動産屋はプロ中のプロ。販売する家の写真はプロが撮り、家の中がカラだと見栄えが悪いのでワザワザ家具、調度品、絵画をレンタルしてAuction までの4週間「立派な家に見せる」手法も多数あり。ワシの友達も家を売る時にレンタル家具を入れてたが「ここ誰の家?」と思うくらい、印象が変わる。しかし住んでいる人は内覧がある度に綺麗にしないといけないので結構疲れる。日本の不動産投資で何よりもびっくりしたのが「不動産屋さんは売主、買主の両方のために働く」という矛盾した商習慣。

たいらばやしさんによるイラストACからのイラスト 

日本の不動産屋さんは売主、買主の両方のために働く

これはオーストラリアでは絶対にありえない。確かにこちらでもBuyer’s Advocateという購入者のサポートを仕事とする人がおり、家を買う時に「売主の不動産屋」と買主に代わって交渉してくれる人がいるが、売る人の利益と買う人の利益のために「一つの不動産屋」が両方のために働く、という事すなわち【仲介】の意味が最初全く理解できなかった。一番最初の頃にある不動産屋に電話した時、

ワシ「あのxx団地の580万円の物件ですが。。。」

不動産屋「あれ、もう売れましたけど、リノベしてない別の同じ団地の物件が350万でこれから出ますよ」

ワシ「予算あまりないんで280万くらいはどうですか?」

不動産屋「多分、行けると思いますけど、少し時間ください」

しばらくしてから「あれ、なんとか売主さんと交渉して280万円で行けそうです」という連絡が入り、「なんで、この不動産屋はこんなに親切にしてくれるんやろか? 何か裏があるんじゃないか?」としばらくは疑っていた。絶対「あれ、370万円位やったら即決ですよ」みたいに引っ張ってくる、と思ってた。「なんでこの人ワシの代わりに値切ってくれてんやろ?」不思議で仕方なかった。いろいろと話すうちに日本では「仲介」という事で【買主も不動産屋さんに手数料払う】という事を知り、納得。「ああ、そういう事やったのね」

オーストラリアでは不動産屋に手数料を支払うのは売主のみ。だから最初この【不動産屋が買主の為にも動く】というメカニズムがどうしても理解できなかったが、【売主と買主を結ぶ仲介者】と考えれば、そうかな?とも思う。

オーストラリアの不動産屋は1セントでも多く自分の為に

オーストラリアでは家は①Auction ②Private Sale の2種類のみ(と思う)。もし住宅ローンの支払いが出来なくて銀行に家を取られたら、銀行がAuctionをアレンジ。情け容赦なく債権回収をする。また買主が2人以上いそうな人気のあるエリアはAuctionで販売して売る方が競争に依ってできる限り高くで売れる。値段が交渉できるのはPrivate Salesの時だけだけど、場合によっては「値段が全く提示されていない」場合も多々ある。なぜかというと不動産屋は買いそうな人間を見て「売れそうな値段」を判断し、値段を吊り上げれそうならばバンバン煽ってくる。「今、他に買いたがっている人がいる」「もう既に申し込んでいる人がいるが、今 $xxx 提示すればこの家はあなたが買える」とかいろいろ言って【値段をガンガン引っ張る】。ややこしいのはこれが本当の時もあるし、ただのカマシの時もある。【不動産屋の目をじっと見ても分からない】

不動産屋は売れた家の数%が自分の取り分になるので出来るだけ自分のために高く売ろうとする。ベテラン不動産屋は押しと引きが絶妙。ちなみにワシが今の家を買った時、最初「予算が無いから $ xxxまでしか出せません!]とか言ってたのに、ベテランの不動産屋なんでワシの【買いたがってる度満点】がすぐに見破られ、30分ほどの交渉で結局最初の提示額より$130K(約1000万円)引っ張られて買わされた。

少し話はそれたが結局、兵庫県尼崎市の団地を280万円で買ったのがワシの日本不動産投資の一歩目となった。具体的な購入話は後程。

まとめ

  • 海外に住んでいても日本の不動産は買える。今の所(研究中)銀行のローン借り入れは無理と思う。
  • 実印もいらない。ええか悪いか分からんけど三文判でOK
  • 住民票の転入届もいらない
  • 税金も振り込み、引き落としで払える
  • 家の引き渡しも代理人でOK=海外にいたままでも家の引き渡しは完了できる

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