【車】【旧車 SUZUKI HATCH/ALTO レストア日記】⑥ ヒューズが飛びまくる怪現象 Voltage Regulator、キャブソレノイド?不具合

旧車 ハッチ・アルト レストア日記
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あれ? エンジンが掛からない?

サンダーバード計画を着々と進めていくうちにエンジンの「基本メンテナンス」をしなくてはと、友達のKさんがやっているガレージにお願いし、タイミングベルト、スパークプラグ交換、全般確認をお願いした。ワシは基本的に「餅は餅屋」と思っている。ある程度のメンテは自分でするが、要所要所ではプロにお任せし、しっかり点検をしてもらう。

今回のメンテで以前から問題のあった「ノッキング時のエンジンの振動」は結局エンジンマウントボルトの緩みと判明した。やはりプロに見てもらって良かった。

全般のメンテ完了後、Kさんがわざわざ運転して持ってきてくれるという事で、家で待っていると「エンジンが途中で止まり、その後掛かりません!」と電話が! 「えっ!」

そりゃ大変という事で、車が故障している地点に行くと、Kさんがいろいろチェックしているが、はっきり分からない。今までワシも全く問題なく運転できて、Kさんもここまで全く問題なく運転できたと言っている。現象としては

「一瞬エンジンが掛かりそうでその直後エンスト」の繰り返し。

2人であーだこーだと検討したが、とりあえずTow Truck(牽引車)でKさんのガレージに再度戻すことにし、RACV(JAFのようなもの)に電話して、1時間ほどでレスキューのトラックに来てもらった。

あれ、ヒューズが飛ぶ?

改めてKさんのガレージで一緒に検討したが、全く分からない。燃料系か、点火系か。検討しているうちに徐々に症状まで変化していき、

  • 一瞬エンジン掛かりそうでその直後エンスト
  • 直ったと思って走ると走りながらヒューズ切れ
  • エンジンは掛かるが走る前にヒューズ切れ
  • エンジン掛かった瞬間にヒューズ切れ

とドンドン症状が悪化している。車の床にはヒューズの屍たちが。。。。飛んでいるのはIGN、Regulatorの部分のヒューズ。関連するのはコイル、キャブソレノイド、ボルテージレギュレータ、オルタネータの部品。

ヒューズの屍たち

一応 電験三種を持っているので、これ以上Kさんの時間を使うのは申し訳ない。電気系と分かったので、とりあえずセルスターターの線を外し、バッテリー直結ならばエンジンが掛かるので、仮にセルのコネクターを外して家に帰る事にした。この時点で怪しいのはセルかオルタネーターだったので、セルの結線を外しておけば何とか家に帰れると思っていた。しかし。。。

やはり家に帰る途中でヒューズ切れでエンスト。

仕方ないので再度RACVを呼んでTow Truckで今度は自宅まで運んでもらう事にした。

自宅まで帰れず。。。

家に帰ってじっくり見てると、「Voltage regulator」を外すとヒューズが飛ばない。「これか?」1983年式の我がハッチはチリル式Voltage regulatorと言って内部にリレーがあって電圧を制御している。

参考サイト

チリル式Voltage Regulator
なんとなく変色しているVoltage側のRelay
Pressure側のRelay。きれいな状態

こんな構造になってるのを初めて知った。中のリレー2個中1つのVoltage relayの方の接点が変色しており、過電圧か過電流が流れた感じがある。速攻で「こいつや!」と判断。多分このギャップに過電圧が流れている間に接点が若干溶けて元々隙間が少ない(0.4mm程度)のでショートしたと予想。今更こんな古い方式の部品を交換するのもあれなんでIC式のレギュレーターにすることにした。いろいろ調査を行い、ワシのハッチはオーストラリアversionのSS80Vなのでスズキの品番32500-56011もしくはデンソーの品番02600-3670と推定し、早速USAのEbayからUS$80, 約8000円で購入した。

待ってましたICレギュレーター

1週間ほどでIC式レギュレーターが到着し、ピン配置を十分確認後レギュレータを接続してみた。「カチッ」

輸送費が高けえ~

あれ?なんか音がしたような。。。気のせいかと思い運転席に行くとキーを回してもないのにすでにDisplayが表示されている。(ワシのはデジタルディスプレーversion)「おかしい。。。」速攻でレギュレーターのコネクターを外すとDisplayは消灯した。キーを回してもいないのに通電しているのは絶対おかしい。ここから「地獄の回路図探し」が始まった。

  • 購入したIC Regulatorが壊れているのか?
  • IC Regulator のピン配置はあっているのか?
  • そもそもICレギュレーター内部はどのような回路になっているのか?
  • 元々付いていた製品番号が間違っているのか?
  • そもそもこのオルタネーターに対応していないのか?
  • 持っている車体側の回路図は正しいのか?

現在持っているハッチの整備マニュアルからして2種類の回路図がある。何故。。。。

仕方ないのでオリジナルのチリル式レギュレーターを使う努力をしてみる

本当はIC式に替えたかったが、どう検討してもうまく動かない。一番怪しいと思ったピン配置も合っているのに何故か動かない。。。。時間も勿体ないので改めて最初についていたオリジナルのチリル式Voltage Regulator を修理する事にした。中身は単純でリレーと抵抗だけ。配線から回路図を追い、中の構造を理解した。そして一番怪しいリレーを見てみると、2個中1個のリレー接点が変色しているリレー側が動いていない。中のコイルは導通があるので動くはず。。。「なぜ?」

12V電源を仮に入れてチェックしたところ上部の「アーマチュア」部分のギャップを少なくすると動作しだした。つまり「磁力が弱いのでリレーの動作がおかしい」。しかしこのアーマチュアのギャップを少なくすると発電電圧が低くなるらしい。何度も何度も調整しては車体に取り付けて発電電圧を確認。書くとさらっと一行で終わるが、実際は大変な作業だった。そして分かった事は「修理不可能!」。

赤い部分がアーマチュアの調整部分。ギャップを小さくすると発電の電圧が低い
中身はただのリレー。結構構造は単純だが先人は偉い!

リレーを作動させるにはギャップを小さくしないとカチッとならないし、狭めすぎると発電電圧が低い。どう調整しても発電電圧は12.5v。全く発電していない。

仕方ないのでチリル式を新規購入

リレーの磁力の弱さを調整でなんとかしようとしたが無理と分かった。IC式は互換性が無かったので今度はチリル式を新品で購入しようとするが、同じものが全くない。調べているうちに、ここに来て改めて「今まで認識していたパーツ番号が違う」事に気が付いた。どう調査してみても通常のハッチ、アルトのVoltage Regulatorは中にダイオードがあるようだがワシのにはダイオードは付いていない。前のオーナーが代替品を使ったのか、図面が違うのか、分からないがとにかく「正しいパーツ番号が分からない」完全にお手上げ状態。

そこで「餅は餅屋」を思い出し、近所のガレージに相談すると出入りのAuto electrician(車専用の電気屋」を紹介してくれ、彼に今までの状況を説明しどうしてもパーツが見つからない事を伝えると、なんと2日後には代替品を入手できた。オリジナルは部品の刻印から三菱製のRLB-20。結局電気屋さんが探してきてくれたのはNew Era製のRGX2032 / AVR-583-WIGというパーツでやっと代替品として使用できた。さすが電気屋さん、ありがとう!

黒光りするかわいい奴

しかし またヒューズが飛んだ。。。なんでえ~

一応Voltage Regulatorを交換してもまだ100%信じ切っていない。まだまだ怖くて高速も乗れない。Voltage regulator交換後 初めて6km先のお店に買い物に行くことにした。万一を考え、トイレに行っといて、牽引車待ちも考え防寒もばっちり。もし押すことになる事を想定しサンダルでは無く靴を履いて準備万端で出かけた。途中まで全く問題なかったが、お店の前についたとたん「パチッ!」

はい、ヒューズ逝きました。。。。

全く慌てることもなく買い物を済ませて、Voltage Regulatorのコネクタを外す。これで充電はできないが、ヒューズは飛ばないという今までの経験則で。。。家まで約6km、発電が全くない状態でビビりながらもなんとか自宅まで帰ってきた。

やはりキャブレターソレノイドか?

昨夜ネットで情報収集していると「キャブレターソレノイドがショートする」という記事があった。「えっ、そんなこともあるの?」 見たところキャブレターソレノイドはただのリレー。普通に考えたらそんな部品がショートを起こす事はありえない。そこで早速、朝から配線を手でいじったり、部品をドライヤーで温めたりしたが、全く症状が出ない。何度も何度も回路図を見ながら考えるが全く原因が見つからない。こうなったら仕方がない。ヒューズを飛ばす再現試験しかない。

限りなく黒に近い奴、キャブレターソレノイド。しかし部品が見つからない~!

車にはテスター、ヒューズ多数を積んでいつもジョギングで使っている公園をぐるぐる回る。1週1kmくらいなので10周位した時、停止から発進でまたしても「パチッ!」「来たあ~!」

速攻でソレノイドのラインを点検するも車体とのショートはしていない。とりあえずソレノイドのコネクターを外し様子を見ながら走る事にした。しかしキャブソレノイドがオフだとアイドリングが全くない状態なのでずっと「ヒールアンドトウ」(ブレーキを踏みつつアクセルを吹かす)の高度なテクニックを駆使して、さらに念のため20周位回る。公園で誰かの子供の誕生会をやっていたが、公園をぐるぐる回っているちっこい車の運転手は絶対変な人と思われたと思う。

結局これ以降ヒューズは切れなかった。推測するに「何らかの状態の際に”一瞬”キャブソレノイドがショート」する現象と推測。夜になってソレノイドを購入すべくネットで調査をしてみたが、今度は「部品が見つからない」。。。。。OMG!

一体いつまで続くのか?。。。。。。

サンダーバード計画まだまだ続きます。

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