ここで書いているのはワシの不動産投資の経験談、個人的な意見であり、不動産投資を勧めるものではありません。不動産投資において「絶対儲かる」という事はありません。不動産の購入は多数の経験者の意見を参考に、正しいデータ、最新の情報を用いて、不動産購入の最終判断は自己責任で行ってください。ワシの考え方、経験が皆さんに何らかのお役に立てれば、と考えます。 また税金、不動産関連の法律は常時変わっています。ワシの記事の発行前後に税金・不動産関連法律が変更されている可能性もありますので、不動産購入前には関連法律の最新状況も是非確認ください。
ここで記載している記事内容は【海外に常時住んでいる家主不在型】の民泊開設についてです。日本に居住していて【自分の家の一部の部屋を貸す】【空いている物件を民泊にする】とは少し内容が違う場合があります。
民泊物件を探す前に自問しなければいけない超超超大事なポイント
ワシが【民泊】を運営してからいろんな人に聞かれる。(まあ、あっちこっちでペラペラ喋ってるという事もあるが)。そこでいつも皆さんに聞いているのは
何のために民泊物件を購入しますか?
購入したいと考えている人はここをしっかり自問し、方向性を明らかにしないと後で「適切でない物件を購入」「開設できない場所を購入」「前にも後にも行けない状況」になる可能性があります。民泊を開設したい理由は千差万別と思うけど、大きく分けると以下になると思う。
① 時々帰国する際に家屋を使用し、他の期間は人に貸す。儲けは二の次。(オーストラリアじいじのパターン)
② 民泊を運営したい。(日本円での不労収入を得たい)
③ 将来、定年後に住むために。(今は民泊と使い、後で日本の別宅として使う)
④ ホテル代の節約
細かく言うともっとあるかも知れないけど、大きく分けたら上の4つぐらいと思う。なぜ、最初にこれを自問しないといけないかと言うと、この【①②③④の違い】は「購入場所」「購入予算」に大きく関わり、ここで自分がやりたい事を明確にしないと、
日本の何処にどんな物件を買って良いか分からなくなる。
簡単に言うと①のパターンの場合、自分の好みで「駅からバスで30分の海の見える見晴らしの良い場所」を買ったりしたら、多分あまり民泊のお客は来ない可能性が高い。(そういった場所にある民泊もあるが) Ownerとなる自分と「観光に来る人の求めているものが違う」と思った方が良い。ワシは「物件の場所は民泊客がスーツケースをガラガラ引きながら歩いて来るので駅から7~10分以内が原則」と思っている。(人にもよるけど)
- 旅行者にガレージが必要か?
- 購入する場所は観光客が来る所なのか?
- その家の周辺に観光地はあるのか?
- 殆ど一日中外で観光している旅行者に素晴らしい台所は必要か?
- 通常2人、多くて4人くらいの観光客に4LDKなどの大きくて素晴らしい家が民泊として必要か?(古民家というのもありますが)
②を選ぶという事はROI(投資に対するリターン)、すなわち「少ない投資で大きな儲け」を選ばないといけない。そうなると「東京近郊と比べ大阪は不動産物件が安い」「大阪に比べ福岡は物件が安い」「じゃあ、もっと田舎に!」「客はそこに来るか?」となり、グルグル状態になります。
実際、大阪市だと「500万以下で戸建て」(長屋ですが)はありますが、関東圏はほとんどありません。そうなると、購入場所は「自分の好みでない場所」になる可能性が高いです。
③を選ぶという事は「自分のお気に入り」の場所を買う事になりますが、そこが果たして「観光客が泊まりたいと思う場所」かどうか考えないといけません。「将来、庭で畑仕事したい=多分、郊外の一軒屋=観光客来ますか?」となります。
また、いつかTVで見ましたが内装を凝りに凝った民泊を見ました。勿論、清潔、ユニークなど、いろいろ皆さんが求めているものは違うので、それもありですが、民泊はビジネスなので基本はROI。 (投資に対するリターン) です。
一泊 10,000円取る民泊を開設したいのか、一泊 3,000円なのか? どういったグレードを考えているのか? これもまた千差万別。簡単に言えばビジネスホテルかリッツカールトンを目指すのか? 【投資に対するリスクを考える】のは当然です。
④はずばり②と同じくROIです。もしかしたら年間30万円のホテル代を節約するために、投資資金回収が10年以上掛かるかもしれません。自問してください。
参考までにワシの物件は【470万で購入し、駅から6分、7戸1の長屋。一泊一人3,000円から。たしか床面積40m2?、土地30m2くらいの3K、築50年弱、再建築不可物件】です。この額ならば損しても何とか諦めきれる額です。ここは人によって違います。もしかしたら5,000万まで損してOKの人がいるかも知れません。It’s up to you!
最初にしっかりと自問してください。一体何のために民泊がしたいか? キモは「民泊=観光客が泊まる所」とお考え下さい。自分が好きな場所と民泊運営場所は違うかもしれません。
ただ今までいろんな民泊を見ていると「日本の出張者」をメインにしている民泊もありました。そうなると「工場に近い、事務所に近い」となりますが、これも見立てを間違うとやばい状態になります。
民泊に関連する法律を理解する。これも超大事。
どうですか? 自分の方向性決まりました? グルグル状態ですか? でも上述した事はとても大事です。どうか決まるまでグルグルしてください。
民泊をする=事業を開始する、となります。よって関連法案を全部覚えなくても良いですが、ある程度理解しておかないと大変な事になります。
【何百、何千万円投資したけど、民泊が開設できない】ニッチもサッチも行かない状態になります。ここで「ワレ、オーストラリアじいじのせいで3000万損したあ~」と言われても困るので、ここはしっかり自己責任で関連法案を理解してください。
【民泊物件買いました=民泊開設不可地域だった】など、悔やんでも悔やみきれません。実際そういった人はいるようです。後の祭り、アフターフェスティバル?にならないように切に願います。
ワシの知っている民泊に関連する法案は以下と思いますが、今一度ご自分で調べてください。
- 消防法
- 建築基準法
- 民泊法( 住宅宿泊事業法:民泊新法)
- 各自治体の民泊に関する取り決め
- 場合によっては少し関連する旅館業法
これがどうした? という所ですが、全部を理解するのは不可能と思います。ワシが経験して【危なかったあ~】という事例をかいつまんで説明します。ワシが経験していない事は分かりません。ご理解ください。
ここで 【危なかったあ~】 というのは【民泊開設不可能になりかけた】という事です。
ちなみに以下の記事は関西の長屋(集合住宅でワシの場合は2階建て長屋。7戸が全部くっついています)で体験した事です。
消防法に絡んでヤバかった事
消防法は、家の構造、階数、床面積、窓の有無、廊下の位置など、結構いろんな条件を鑑みて、「消火器を付ける」「スプリンクラー付ける」「煙探知機つける」などの話が出てきます。基本、「床面積が大きい」と付ける設備も変わってきます。また「戸建ての3階建て」も避難に対していろいろ面倒な話になりそうです。面倒な話=設備費用増加です。
以下にリンク、サマリー表を記しますが、ポイントは床面積50m2、延べ面積150m2、300m2(共同住宅、長屋など)以上になるといろいろ要求があり、要求=設備費用が掛かる、とお考え下さい。
ワシの民泊の場合、床面積50m2以下、7戸合わせて延べ面積300m2以下なので結局 簡易な煙探知機 各寝室(1万円くらい)で済みました。消火器設置になると軽く10万円以上になります。寝室から外までの距離が長い(家が大きい)と誘導灯設備も高くなります。ワシの場合は上下階で2個簡易な煙探知器の設置、約3万円で済みました。
ワシの場合は戸建て貸し切りタイプですが、個別の部屋を別々に貸すとなるとまた話が変わってくる模様です。申し訳ないがググってください。
<<消防法の話>> <==ココ
建築基準法に絡んでヤバかった事
【界壁】(長屋ならではの問題)
【界壁】(かいへき)ってご存知ですか? 昔の長屋の場合、隣家との境界の壁が天井部分にない場合があります。極端に言えば天井伝われば隣の家に行けるような感じです。
ワシの某B市に買った2軒めの民泊物件には【天井界壁】がありませんでした。一軒めと同じく長屋でした。管轄の消防局に相談したところ(1)同じ長屋でお店などの営業活動している家が無い(あればまた話が変わる)(2)該当家屋の床面積は50m2以下 (3)長屋の総延べ床面積300m2以下 という条件だったので【天井界壁不要】と判断されました。
もし購入後に民泊開設に【界壁必要】となったらどうなっていたのか?
- 界壁設置費用に軽く100~200万円ぶっ飛んでいた。
- そもそも近所の人は民泊を良く思わない人もいるので【工事に同意しない(長屋なので隣の家も工事に同意しないといけない)=民泊開設できない】となっていたと思う。
<参考サイト>
【ラスモルタル】(長屋ならではの問題)
ラスモルタルとは建物の壁の中に補強のためにメッシュ状の金網が入っている壁の事です。構造の補強には良いのですが、これを通して漏電火災の可能性がある場合があります。
そのため、条件によっては【長屋全戸に漏電感知器をつける】事を要求される場合があります。しかし界壁同様に 近所の人は民泊を良く思わない人もいるので【工事に同意しない(長屋なので隣の家も工事に同意しないといけない)=民泊開設できない】となる可能性があります。こちらも同様に床面積、近辺の状況なども加味されるのではっきりしたことは言えませんが、ワシの場合は家が小さい事もあり【 漏電感知器 】は不要でした。
まとめ
- 事前に情報を知っている、知っていないで大きな違いがある。知らないで損をする、という事だけは避けてください。
- よって物件の調査を含め自分で関連法律を理解するのは大事。
- 日本の消防局はみんな親切でした。見取り図を送れば相談に乗ってくれる。(ただし管轄の消防局と人と話をすること)
- 消防法と建築基準法に該当するかしないかの確認は超大事。
- 不動産屋も親切。界壁のある無しも聞いたら教えてくれる。ラスモルタルはちょっと分かりにくい。
- 個人的な意見だけど床面積50m2以下は結構難を逃れる事ができるような気がする。しかし50m2以上でも追加の設備は何か、幾らかかるかを確認できれば総合的な判断はできるので50m2以下に執着する必要はないと思う。
いかがでしょうか? 結構チャレンジですが 【470万円で不動産を購入。7戸1の長屋。床面積40m2?、土地30m2くらいの3K。築50年弱。再建築不可物件】 でも乗り切れました。
関連法律の続きはまた今度。